ブレーキは車の命を守る最重要パーツ。そのブレーキパッドに塗る「グリス」は、見落としがちな存在ですが、安全運転には欠かせません。
本来は専用のブレーキグリスを使うのがベストですが、コストや手軽さから「代用できないか」と考える方も多いでしょう。
この記事では、ブレーキパッドグリスの基礎知識から、代用の可否、塗布方法、さらには市販で手に入るおすすめ製品まで詳しく解説します。
DIY整備に挑戦する方にも、プロに任せるべきか迷う方にも役立つ内容になっています。安全第一を忘れずに、あなたのカーライフをもっと安心にするためのヒントをお届けします。
ブレーキパッドグリスの基礎知識

ブレーキパッドにグリスを塗ることは、ただの整備作業ではなく「安全性を維持するための大切な予防策」です。
車の走行中に発生する摩擦音やキーキーとしたブレーキ鳴きは、多くの場合グリス不足が原因。さらに摩耗や焼き付きのリスクも高まります。
専用グリスと汎用グリスでは耐熱性や成分が大きく異なり、ここを理解せずに選ぶと事故につながる可能性も。
ここでは、なぜグリスが必要なのか、どこに塗布するのか、専用と汎用品の違いについて整理していきます。
なぜグリスが必要なのか(摩擦音・焼き付き防止)
ブレーキは走行中に数百度もの高温にさらされ、常に強い摩擦力がかかっています。
この状態で金属同士が直接こすれ続けると、すぐに「鳴き」と呼ばれる不快な音が発生したり、部品の摩耗や焼き付きが進行してしまいます。グリスを塗ることで摩擦を和らげ、金属表面に薄い保護膜を形成し、部品同士が滑らかに動くようになります。
その結果、ブレーキ鳴きの抑制や制動時の安定感が増すだけでなく、パッドやキャリパーの寿命を大幅に延ばすことができます。
また、適切なグリスは耐熱性にも優れており、高温下でも性能を維持するため、長時間の走行や渋滞での連続ブレーキでも安心です。
つまり、グリスは単なる潤滑剤ではなく、快適な運転環境と安全を両立させるための重要な役割を担っているのです。
使う場所と塗布範囲の基準
塗布するのはパッドの裏面や金属接触部のみで、ローターと直接接触する摩擦面に塗布するのは絶対に避ける必要があります。
摩擦面に誤って塗ってしまうと制動力が大幅に落ち、ブレーキが効かなくなるなど非常に危険な状況を引き起こします。
具体的には、パッドの金属部分とキャリパーの接触部、スライドピンやシムなどの摺動部が主な塗布対象となります。
これらの部分に薄く均一にグリスを塗ることで、部品同士の動きがスムーズになり、異音や摩耗を防止できます。
また、厚塗りをすると逆にホコリや異物を巻き込みやすくなり、トラブルの原因になるため注意が必要です。
さらに、車種やパッドの形状によって塗布が推奨される箇所が微妙に異なるため、必ず整備マニュアルや製品説明を確認することが望まれます。
こうした塗布範囲の理解を深めることは、整備を安全かつ確実に行うための基本であり、安心して走行するための必須知識といえるでしょう。
専用グリスと汎用グリスの違い
専用グリスは耐熱性や密着性に非常に優れており、数百度に達する高温環境でも長期間安定した性能を発揮します。
特にブレーキ周辺のように熱がこもりやすい部位では、この耐熱性が安全性に直結します。また、専用グリスはパッドやキャリパーの金属部分にしっかり密着し、長期間にわたり潤滑や防錆の効果を維持できるため、メンテナンス頻度を減らすことにもつながります。
さらに専用品はブレーキ鳴きの抑制効果が高く、走行時の快適性にも寄与します。
一方で汎用品はコスト面で安く入手しやすい利点がありますが、耐熱性に限界があり、高温時に軟化したり溶けたりするリスクが高くなります。
その結果、潤滑性能が低下して異音や摩耗の原因となったり、最悪の場合は安全性を損なう恐れがあります。
特にリチウム系や一般的な工業用グリスはブレーキ用途に適していません。つまり、短期間の応急処置として使えるケースはあるものの、本来の性能を求めるなら専用品を選ぶべきです。
選択を誤れば事故につながりかねないため、価格よりも安全性を優先することが何より重要です。
代用グリスは使えるのか?

「専用品は高い」「今すぐ整備が必要」そんなときに頭をよぎるのが“代用品”。
確かに身近なグリスを使って応急処置ができれば便利ですが、ブレーキは安全に直結するため、むやみに代用品を使うのは非常に危険です。
専用グリスは耐熱性や密着性を考慮して設計されているため、長時間の走行や高温下でも性能を維持します。
一方で一般的なグリスは熱で溶け出したり劣化したりする可能性が高く、最悪の場合は制動力低下や部品破損を招きかねません。
ただし一部のグリスは条件付きで応急的に代用可能なケースもあります。例えば短距離走行や低負荷の環境であれば、一時的に摩耗や鳴きを抑える効果が得られることもあります。
しかしその場合でも「専用品が手に入るまでのつなぎ」として割り切ることが大切です。また代用品を使う際には塗布量を最小限に抑え、定期的に点検する必要があります。
つまり、代用品を検討する際にはコストや利便性だけでなく、安全面のリスクを十分理解したうえで判断することが不可欠です。
ここでは具体的に代用が可能かどうかを整理し、利用時のリスクや注意点を踏まえた判断基準を提示していきます。
シリコングリスは代用可能?
シリコングリスは耐水性に優れており、ゴムや樹脂部品と相性が良いため、一部のパーツでは代用として利用できるケースがあります。
特に防水性能や密着性を求められる場所では有効ですが、ブレーキのように高温にさらされる部位では性能不足が顕著に現れます。耐熱温度がそれほど高くないため、長時間の走行や山道での頻繁なブレーキ使用時にはグリスが劣化し、液化したり揮発してしまう恐れがあります。
その結果、潤滑効果が薄れ、部品同士の摩擦音や摩耗が発生する危険性が高まります。また、製品によっては添加剤が金属やゴムを傷める可能性もあるため注意が必要です。
したがって、短期間の応急処置や限定的な環境下での代用は可能な場合もありますが、長期的な使用や本格的なメンテナンス用途には不向きといえます。
結論として、あくまで専用グリスが手に入るまでのつなぎとして考えるべきであり、恒常的な代用には適していません。
モリブデングリスを代用する際の注意点
モリブデン入りのグリスは摩耗防止に効果的で、金属同士の摩擦を和らげる働きがあるため一見便利に思えます。
しかし、ブレーキのように数百度もの高温にさらされる環境では、想定以上に劣化が早く進むことがあります。
特に揮発性が高いため、長時間の走行や急ブレーキを繰り返すと性能が低下し、潤滑効果が急激に失われてしまう恐れがあります。その結果、かえって部品が傷みやすくなり、異音や摩耗の原因になることもあります。
また、製品によっては添加剤がローターやパッドの素材に悪影響を与えるケースも報告されています。
したがって、モリブデングリスをブレーキに使う場合は、あくまで専用品が入手できるまでの短期利用にとどめることが安心であり、定期的に状態を確認して早めに専用グリスへ切り替えることが重要です。
使ってはいけないグリス(リチウム・グラファイト等)
リチウムグリスやグラファイト系のグリスは、一見すると潤滑に役立ちそうに思えますが、ブレーキ用途においては致命的な欠点を抱えています。
まず耐熱性が不足しており、ブレーキのように高温環境下で使用するとすぐに溶けたり劣化してしまいます。その結果、潤滑性能が失われるだけでなく、逆に部品を傷める原因となり、摩耗や焼き付きが加速する危険性があります。
また、グラファイト系のグリスは導電性を持つため、電気系統やセンサー類に悪影響を及ぼす可能性もあります。
さらに、こうした不適切なグリスを使用した場合、パッドやローターが本来の性能を発揮できず、制動力低下や異音、最悪の場合は重大な事故につながるリスクさえあります。コスト面で魅力があっても、ブレーキに関しては安全が最優先であり、リチウムグリスやグラファイト系は絶対に使用してはいけません。
必ず耐熱性と密着性に優れた専用ブレーキグリスを選ぶことが、安全運転と長期的な車両維持に直結します。
市販で手に入る選択肢

代用を無理に探すよりも、最初から「安全に使えるもの」を市販で購入するのが最も賢明です。
専用グリスはカー用品店や通販で容易に入手できるほか、ホームセンターでも耐熱タイプの製品が揃っています。
確かに100均や安価な汎用グリスも目に入りますが、ブレーキ用としての適性を持たないものが多いため、購入時には必ず成分や耐熱性能を確認することが重要です。
特に“耐熱”“ブレーキ用”などの表記があるかどうかをチェックすれば、失敗を避けやすくなります。また、市販製品には小容量タイプから大容量まで幅広く用意されており、自分の使用頻度に合わせて選べる点も便利です。
ここではホームセンター・100均・カー用品店やAmazonといった購入先ごとに代表的な製品を紹介し、安心できる選択肢を整理していきます。
ホームセンターで買える定番商品
カインズやコーナンなど大手ホームセンターでは、耐熱性を備えた一般用グリスが比較的手頃な価格で入手可能です。
特にDIYコーナーや自動車用品コーナーには複数種類のグリスが並んでおり、耐熱性能や粘度の違いによって使い分けることができます。購入時には必ずパッケージに“耐熱”や“ブレーキ用”と明記されているかを確認することがポイントです。
また、ホームセンターならスタッフに相談できる利点もあり、自分の用途に合った商品を選びやすい環境が整っています。
さらに小容量のチューブタイプから大容量缶タイプまで豊富に取り揃えられているため、メンテナンス頻度や作業スタイルに応じた選択が可能です。
まとめ買いをすればコストを抑えつつ、複数回の整備にも対応できるので、初心者から上級者まで幅広く利用されています。
100均にあるが注意が必要なケース
100均のグリスは非常に安価で手軽に入手できるのが魅力ですが、ブレーキ用としては性能が大きく不足しているため基本的には不向きです。
多くの商品は耐熱温度が低く、高温になりやすいブレーキ周りではすぐに溶けたり劣化したりしてしまいます。
その結果、潤滑効果が得られないどころか、部品を傷めたり異音の原因になる危険性さえあります。
また、パッケージに成分や用途が詳しく記載されていない場合も多く、安心して使用することができません。
したがって、どうしても専用品が入手できず応急的に使用する場合に限って検討する程度で、長期使用や本格的な整備には絶対に避けるべきです。
コスト面のメリットよりも安全性を優先することが重要であり、100均のグリスは「安さにつられて選んではいけない典型例」といえるでしょう。
オートバックスやAmazonでのおすすめ専用品
カー用品店や通販なら専用ブレーキグリスが確実に手に入ります。
オートバックスやイエローハットといった大手カー用品店では、耐熱性に優れた専用グリスが常時販売されており、スタッフに相談しながら自分の車種や用途に合った製品を選ぶことも可能です。Amazonや楽天市場などの通販サイトなら口コミや評価を参考にできるため、人気商品やリピート率の高い商品を比較検討しやすいメリットがあります。
価格は1,000円前後から数千円まで幅広く、容量や性能に応じて選択肢が豊富に揃っています。
特にワコーズやデイトナ、スリーボンドなどの定評あるブランド製品は信頼性が高く、長期間安定した性能を発揮するため安心です。
安全性を考えれば専用品を最優先で選びたいところであり、通販と店舗をうまく使い分けることで、コスト面と利便性の両方を満たすことができます。
正しい塗布方法と注意点

グリスを持っていても「どこに、どのくらい塗るか」を誤ると逆効果になってしまいます。
特に整備初心者の方は、誤って摩擦面に塗ってしまうことが多く、それが重大事故の原因になることさえあります。
グリスは潤滑と防音を目的に使用されるものであり、塗布箇所を間違えると制動力の低下や異音の悪化につながります。
さらに塗りすぎや厚塗りも禁物で、ホコリや砂を巻き込みやすくなり、かえって摩耗を進める危険があります。
逆に薄すぎると効果が持続せず、頻繁な再整備が必要になってしまいます。このように適量を正しい場所に塗布することが非常に重要であり、塗布前には必ず部品を清掃し、油分や汚れを落としてから塗るのが基本です。
ここでは初心者でも失敗しにくい塗布手順や、やってはいけない注意点を具体的に紹介し、実際の整備で役立つように詳しく解説していきます。
塗布の手順(初心者でもわかる流れ)
- ブレーキパッドを外す
- 裏面や金属接触部を清掃
- 薄く均一に専用グリスを塗布
- 再度組み付ける
塗布NG箇所(パッド接触面は絶対ダメ)
パッドとローターの摩擦面にグリスを塗るのは絶対に避けなければなりません。ここに潤滑剤を塗ってしまうと摩擦力が大幅に低下し、制動力が失われてブレーキが効かなくなる非常に危険な状況を招きます。
特に高速走行時や急ブレーキ時には、停止距離が通常より長くなり、事故につながる可能性が極めて高くなります。
また、グリスが熱で溶けてローター表面に広がると、ブレーキ全体にムラが生じ、振動や異音を引き起こすこともあります。
さらに、摩擦面に付着したグリスは清掃が難しく、完全に除去するには専門的な処理が必要になる場合もあります。
したがって、塗布箇所を誤らないことは整備における最も重要なポイントの一つであり、必ず裏面や接触部など適正な部位にのみ塗布するよう徹底する必要があります。
代用する場合のリスク回避ポイント
代用グリスを使用する場合は、あくまで短期間の応急的な利用に留めることが大前提です。まず塗布する際は必要最小限の量に抑え、厚塗りを避けることが重要です。
厚く塗りすぎると熱で溶けて部品全体に広がり、摩擦面にまで付着してブレーキ性能を著しく低下させる危険があります。
また、定期的にパッドやキャリパーを点検し、グリスが劣化したり揮発していないか確認することも欠かせません。
特に長距離ドライブや高温環境で使用した後は早めにチェックし、少しでも異音や違和感があれば直ちに専用品へ交換すべきです。
さらに代用品の使用を前提にせず、必ず早い段階で専用ブレーキグリスを準備・入手しておくことが安全運転を続けるための最大のリスク回避策といえるでしょう。
塗らないとどうなる?

「面倒だから塗らなくてもいいか」そう思うのは大きな間違いです。グリスを塗布しないまま走行を続けると、ブレーキ鳴きや部品の摩耗だけでなく、車両全体の安全性に深刻な影響を及ぼすことになります。
金属同士が直接こすれ合うことで異音が発生しやすくなり、快適性が大きく損なわれるだけでなく、長期的には部品寿命を著しく縮めます。
また、摩擦や熱によるダメージが加速するため、パッドやキャリパーが通常より早く劣化し、修理や交換のコストも増加します。
さらに、潤滑不足によってパッドが正しく動かなくなると制動力が落ち、停止距離が延びたりブレーキの効きが不安定になる危険性もあります。最悪の場合、車検や点検で重大な不備を指摘されるだけでなく、整備不良が原因で事故につながるリスクすら否定できません。
このように「塗らないこと」による影響は軽視できず、必ず定期的な塗布を行うことが安心・安全なカーライフを維持するための必須条件といえるでしょう。
鳴き・摩耗の増加
グリスがないと金属摩擦で異音が発生しやすく、キーキーとした不快なブレーキ鳴きが頻発します。音の問題だけでなく、摩擦面が直接擦れ合うため部品の摩耗スピードが加速し、結果としてパッドやローターの寿命を大きく縮めてしまいます。
さらに摩耗によって部品同士の接触が不均一になると制動時に振動が生じやすくなり、運転中の快適性も大きく損なわれます。長期的に見れば交換頻度が増えて整備コストがかさむ原因ともなり、メンテナンス負担も増大します。
このように、グリスを塗布しないことは単なる異音の問題にとどまらず、車両全体の性能や安全性に悪影響を及ぼす大きなリスクにつながるのです。
制動力低下の危険性
潤滑不足でパッドが正しく機能しなくなると、ブレーキの効きが確実に悪化してしまいます。例えばパッドの動きが渋くなり、ローターに均一な圧力がかからなくなると制動力が部分的に低下し、停止距離が伸びたり車体が不安定に揺れる原因となります。
特に雨天や下り坂、高速道路での急ブレーキといったシーンでは致命的な遅れを生み、事故リスクが大幅に高まります。
さらに摩擦が不均一になることでパッドやローターが偏摩耗し、次第に制動性能が落ちる悪循環に陥ります。
このように、グリス不足による制動力低下は単なる効きの悪さにとどまらず、ドライバーや同乗者の命を危険にさらす重大なリスクとなるのです。
整備不良による事故リスク
車検や定期点検で不備を指摘されるだけでなく、整備不良が長期間放置されると重大な事故につながる可能性があります。
例えばブレーキパッドが正常に動作しない状態で走行を続けると、制動力不足によって急ブレーキ時に停止できず追突事故を引き起こす恐れがあります。
また、摩耗や異常音を放置したままにすると部品の破損が広がり、走行中にブレーキが効かなくなる最悪のケースも考えられます。
さらに整備不良は法的にも大きな問題となり、道路交通法違反や保険適用外になるリスクもあるため、ドライバーにとって多方面で不利益をもたらします。
つまり、グリスを塗らないことで生じる不備は単なる車両の不調では済まず、命や生活に直結する重大なリスクへと発展しかねないのです。
おすすめのブレーキパッドグリス

安全性を第一に考えるなら、やはり専用品を選ぶべきです。ブレーキ周りは高温と高負荷にさらされるため、適切なグリスを選ばなければ性能が大きく損なわれてしまいます。
専用品は耐熱性や密着性に優れており、異音を抑えるだけでなく部品の寿命を延ばす効果も高いため、結果的にメンテナンスコストの削減にもつながります。
ここではユーザー評価や用途別におすすめの製品をまとめるだけでなく、実際に選ぶ際の基準や購入時のポイントについても解説します。
例えば「コスパを重視するのか」「スポーツ走行に対応できるか」「長期間の耐久性を求めるか」といった観点から整理すれば、自分に合った製品を見つけやすくなります。
さらに口コミやレビューを参考にすることで、実際の使用感や耐久性の違いも把握でき、安心して購入判断を下すことができるでしょう。
ユーザー評価の高い定番商品
ワコーズやデイトナ製などはユーザーから非常に高い評価を得ており、信頼性も十分に確立されています。これらのブランドは長年にわたりカー用品市場で支持されてきた実績があり、耐熱性・潤滑性・防錆性能といった基本性能が高いレベルでバランスしています。
特にワコーズの製品は安定した品質と耐久性でプロの整備士からも愛用されており、日常走行から長距離ドライブまで安心して使用できます。デイトナはバイクパーツでも有名ですが、ブレーキ用グリスにおいても扱いやすさとコスパの高さで人気があります。
さらに、こうした定番商品は口コミやレビューも豊富で、実際の使用感や耐久性に関する情報が多く参考にできる点も大きなメリットです。
これらを選ぶことで「迷ったら間違いない」安心感を得られるため、初心者からベテランまで幅広くおすすめできる商品群といえるでしょう。
コスパ重視の製品
ホームセンターのプライベートブランド商品や小容量タイプの専用グリスなら、価格を抑えつつ実用的に使えるため、コストパフォーマンスを重視する方には最適です。
これらは1回のメンテナンスにちょうど良い分量で販売されていることが多く、無駄を出さずに経済的に整備ができます。特に定期的にメンテナンスを行いたいけれどコストをできるだけ下げたい人にとっては大きなメリットとなります。
またPB商品は大量生産や流通効率化によって価格が抑えられているため、品質を維持しながらも手頃な価格で入手できる点も魅力です。
もちろん専用品であることを確認することが前提ですが、信頼できるホームセンターやメーカーが提供する商品であれば安心して使用でき、コストと安全性のバランスを両立させることが可能です。
高耐熱モデル(スポーツ走行向け)
サーキット走行や高速道路での長距離ドライブのようにブレーキが高温になりやすい状況では、必ず高耐熱タイプのグリスを使用することが推奨されます。
通常のグリスでは耐えきれない数百度の熱にさらされても性能を維持できるため、潤滑効果や防音効果が長時間持続しやすいのが大きな特徴です。
特に連続した急ブレーキや山道での下り走行では温度上昇が激しくなるため、こうした状況下でもグリスが劣化せず安定して機能することが安全走行に直結します。
また、高耐熱モデルは成分や粘度が専用設計されているため、部品の摩耗を抑えつつ快適な制動フィーリングを維持することができます。
性能の持続性は一般的な製品と比べて段違いであり、スポーツ走行を楽しむ方や長距離移動が多い方には特に心強い選択肢となります。
DIYか業者か?交換と整備の判断基準

ブレーキ整備はDIYでも可能ですが、専門的な知識や適切な工具が必要であり、慣れていない人にとっては難易度が高い作業です。
安易に挑戦すると部品の取り付け不良やトルク不足などを招き、最悪の場合はブレーキが効かなくなる危険もあります。
自分で作業を行う場合は、事前に整備マニュアルを確認し、必要な工具を揃えること、そして安全な作業環境を整えることが必須です。
また、どこまで自分で対応できるかを冷静に判断し、少しでも不安がある場合は無理をせずプロに依頼することが重要です。
DIYで得られる達成感やコスト削減のメリットは大きいものの、安全を最優先に考え、常に「自分の知識と技術の範囲を超えていないか」を見極める姿勢が求められます。
DIYでできる範囲と必要工具
グリス塗布や簡易交換程度であればDIYでも十分可能です。ただし作業を安全かつ確実に行うためには、最低限の基本工具が不可欠となります。
具体的にはジャッキやトルクレンチのほか、ホイールナットを外すためのクロスレンチ、ブレーキパッドを外す際に役立つ専用工具、さらにはブレーキクリーナーやウエスなど清掃用具も揃えておくと安心です。
また作業場所についても重要で、水平で安定した地面に車を停め、必ずジャッキスタンドを併用することで安全を確保します。
初心者の場合は作業に慣れるまで時間がかかることも多いため、焦らず一つひとつの工程を確認しながら進める姿勢が大切です。
こうした準備を整えれば、DIYでも基本的なメンテナンスを無理なく実施できるでしょう。
プロに任せた方がよいケース
ブレーキ周りの知識に不安がある場合はもちろんですが、専用工具が揃っていない、整備経験が少ない、あるいは作業に十分な時間や環境が確保できないといった場合も、必ず整備工場に依頼する方が安全です。
特にブレーキは命を守る最重要部品であるため、小さなミスが重大事故につながる可能性があります。また最新の車両では電子制御ブレーキやセンサー類が搭載されていることも多く、専門知識を持つプロでなければ適切な対応ができません。
無理にDIYを試みて逆に修理費用が高くつくケースも少なくないため、少しでも不安があるときは迷わずプロに任せることが結果的に安心とコスト削減につながります。
整備工場で依頼するメリット
整備工場に依頼する最大の利点は、専門知識を持つ整備士が作業を行うことで安全性と確実性が担保される点です。国家資格を持つ整備士が分解や点検、グリスの塗布を正しい手順で行うため、DIYで発生しがちな取り付け不良や見落としのリスクを大幅に減らすことができます。
また工場での整備は保証が付与されるケースが多く、万が一トラブルがあった場合でも再整備や部品交換に対応してもらえる安心感があります。
さらに最新の設備や専用工具を使用することで、電子制御ブレーキやセンサー類を備えた新型車にも適切に対応できるのも大きな強みです。
結果的に車両の寿命を延ばし、定期的な不具合による修理コストを削減できるため、長期的にはコスト面でもメリットが大きいといえます。
つまり整備工場に任せることは、安心して走行できるだけでなく、車両を長く安全に使い続けるための賢明な選択肢なのです。
まとめ
ブレーキパッドにおけるグリスは、単なる潤滑剤ではなく、鳴き防止や部品寿命を延ばすために欠かせない重要な存在です。
塗布の有無や種類の違いによってブレーキ性能や快適性が大きく左右されるため、軽視してはいけません。
代用品は一時的に使えるものもありますが、耐熱性や成分に不安が残るため、必ず早い段階で専用品に切り替えることが求められます。
幸い専用グリスはカー用品店や通販で手軽に入手でき、価格も決して高価ではないため、コストを理由に避ける必要はほとんどありません。
さらに、DIYで整備を楽しむことも可能ですが、工具や知識が不足している場合には思わぬトラブルを招くことがあるため、少しでも不安があればプロに任せるのが最も安全な選択です。最終的に大切なのは、あなた自身と大切な同乗者の命を守ること。
日々の点検や適切なメンテナンスを通じて「安全第一」の意識を持ち続けることが、安心で快適なカーライフを送るための最も確実な方法といえるでしょう。

