「気づいたらスマホの充電コードがボロボロ……」そんな経験をした飼い主さんも多いのではないでしょうか。
猫にとってコードは細長く動くおもちゃのように見えることがあり、ついかじってしまうのです。しかし、この行動は感電や誤飲などの危険につながるため、放置するのはとてもリスキー。
そこで大切なのは「なぜ噛むのか」という心理を理解し、効果的な対策をとることです。
本記事では、猫がコードをかじる理由をわかりやすく解説しつつ、100均で買える便利グッズを使った実践的な防止方法をご紹介します。暮らしを安心・快適にするヒントとしてぜひ参考にしてください。
猫がコードをかじる心理とは?

猫がコードをかじるのには、きちんと理由があります。単なる「いたずら好き」というよりも、猫の本能や生活環境が深く関係しているのです。
コードを噛むのは危険ですが、猫にとっては自然な行動の一部であることを理解すると、叱るだけでは解決しないことが見えてきます。
例えば、遊びたい欲求を満たすためや、歯の生え変わりによるムズムズ感を解消するために噛んでいる場合もあります。
また、飼い主の気を引きたくて「わざと」コードを狙うケースも。これらの心理を理解すれば、正しい対策が取りやすくなります。ここでは代表的な理由を整理し、猫の気持ちに寄り添いながら解説していきます。
遊びたい欲求と好奇心
猫は動くものや細長い形状に強く反応する習性があります。コードが床に垂れていると「獲物」に見えてしまい、つい手を出してしまうのです。
これは狩猟本能に基づく自然な反応で、特に若い猫ほど強く表れます。さらに、動いたときの揺れや音、飼い主が触っている様子も興味を引きつける要因になります。
猫にとってはただのケーブルではなく、動く蛇や小動物のように映ってしまうのです。そのため、噛んだり引っ張ったりする行動は「遊びの一部」として自然に起こります。
特に運動不足や遊び時間が足りない猫は、余計にコードに興味を示しやすくなります。また、退屈を感じたときに目についたものを噛むのもよくある行動で、コードはその対象になりやすいのです。
このように遊びたい欲求や好奇心からくるかじりは、猫にとっては本能的で当たり前の行動だと言えます。
歯の生え変わりやストレス解消
子猫の歯の生え変わり時期や、ストレスを感じているときにも「噛む行動」が増えます。固いものをかじることで落ち着いたり、口の違和感を和らげようとしているのです。
特に生後3~6か月頃の子猫は乳歯から永久歯に変わる過程で歯ぐきがむずがゆくなり、手当たり次第に噛みやすいものを探す傾向があります。その対象としてコードは手頃で細長いため、かじられることが多いのです。
また、成猫でも環境の変化や運動不足、孤独感などでストレスが溜まると、無意識にコードを噛んで気分を落ち着けようとするケースがあります。
これは人間がストレスで爪を噛んだり貧乏ゆすりをするのと似た心理反応です。したがって、かじる行動は単に悪い癖ではなく「自己調整のための行為」であるとも言えます。
こうした背景を理解することで、単に叱るのではなく、噛んでも安心なおもちゃを用意する、遊びやスキンシップの時間を増やすなど、前向きな対策につなげることができます。
飼い主の注意を引きたい行動
わざとコードを狙う場合もあります。かじったときに飼い主が慌てると「注目してもらえた」と学習し、繰り返してしまうこともあります。
これは猫にとって一種のコミュニケーション手段とも言え、かじる行動が「構ってほしい」というサインになっていることも多いのです。
特に日中一人で留守番をしている猫や、遊び足りないと感じている猫は、飼い主が反応する行為を繰り返しやすくなります。
さらに、叱るために大きな声を出したり、慌てて駆け寄ったりすることが「ご褒美」として伝わってしまうこともあります。
そのため、この行動に対応する際は、無理に叱るのではなく、噛んだときには無視をし、落ち着いた行動をしたときにたっぷり褒めるといった工夫が効果的です。
注意を引きたいタイプのかじりは、猫が安心して甘えられる時間や遊びを増やすことで徐々に減っていくケースも多いのです。
かじり防止に役立つ100均アイテム

危険なコードかじりを防ぐには、物理的に噛めないように工夫するのが効果的です。そこで頼れるのが100均の便利アイテム。
近年はペット対策や収納グッズが充実しており、低価格でもしっかり役立つものが揃っています。特にコードチューブやカバーは「噛みにくい素材」でコードを守ることができ、結束バンドやクリップは配線を整理することで猫の目に入りにくくしてくれます。
また、コンセントまわりをガードする商品もあり、感電リスクを下げることが可能です。高価な専用グッズを買わなくても、身近な100均アイテムで十分に効果が期待できます。
ここでは代表的なアイテムを紹介します。
コードカバー&チューブ(ダイソー・セリア)
柔らかいコードを覆って保護するチューブ。猫が直接噛めないようにする基本アイテムです。長さを調整でき、見た目もすっきりします。
さらに耐久性があり、掃除の際にも邪魔にならず扱いやすいのがポイントです。種類によっては透明タイプやカラー付きもあるので、インテリアに合わせて選べるのも魅力。
細めのコードから太めの電源ケーブルまで幅広く対応でき、必要な分だけハサミでカットして使えるため経済的です。
巻きつけるタイプと差し込むタイプがあり、用途や好みに応じて選べます。実際に使用すると猫が噛もうとしても歯が滑ってしまうため、興味を失わせる効果も期待できます。
複数のコードをまとめて1本にできるので、見た目の整理にもつながり、部屋全体がすっきりするメリットがあります。
面ファスナー&結束バンド
複数のコードをまとめて整理できるグッズ。床にだらりと垂れないので、猫が興味を示しにくくなります。セリアやキャンドゥでも種類豊富。
さらに、面ファスナータイプは何度でも付け外しが可能で、模様替えや配線の変更があっても柔軟に対応できるのが大きな利点です。
結束バンドは樹脂製のものから布地タイプまであり、好みに合わせて選べます。特に布地タイプはコードを傷つけにくく、見た目も柔らかい印象になるため、リビングや寝室など人目につく場所にも使いやすいです。
壁際にコードをまとめたり、テーブルの脚に沿わせて固定することで、猫が簡単に手を出せなくなります。
また、余った部分をまとめることで掃除のしやすさもアップし、部屋全体がすっきり整うのも嬉しいポイントです。
コンセントガードやケーブルクリップ
壁や床のコンセント部分を覆うガード。コンセントの差込口を隠せるので、感電事故を予防できます。クリップで壁沿いに固定するのも有効です。
さらに、コンセントガードには差し込み口全体を覆うタイプや、必要なときだけ開閉できるキャップ式のタイプなどがあり、環境や使い方に合わせて選べます。
特に小さな子どもや複数のペットがいる家庭では、こうした工夫が安全面で大きな効果を発揮します。ケーブルクリップは粘着テープで壁や家具に貼り付けるだけで簡単に使え、コードを床から浮かせることでホコリや毛の付着も減らせます。
見た目もすっきり整うので、インテリア的にも好印象です。実際に使った飼い主からは「猫がまったくコードに近寄らなくなった」という声もあり、価格以上の安心感を得られるアイテムです。
実際に使って効果があったグッズ3選
数ある100均グッズの中でも「本当に効果があった」と感じられるものを厳選して紹介します。飼い主さんの実体験を踏まえると、見た目以上に活躍するアイテムも少なくありません。
例えばコードチューブは、取り付けるだけで噛み跡がピタッと止まったという声も多く、コスパの高さが魅力です。
また、面ファスナータイプの結束バンドは、自由に巻き直しができて使いやすく、配線がすっきりすることで生活動線も整います。
さらにコンセントガードは「うっかりコンセントにじゃれつく」リスクを下げ、安心感が高まります。100均アイテムは気軽に試せるので、複数組み合わせるのもおすすめです。
コードチューブ
ダイソーで購入可能。しっかりした素材で、猫が噛んでも歯が立ちにくい。見た目も整い、掃除のしやすさもアップ。
さらに、耐熱性や耐久性にも優れており、長期間使える点も大きな魅力です。種類によってはスリット入りでコードを簡単に差し込めるタイプや、しっかり巻きつけるタイプもあり、用途に合わせて選べます。
透明タイプを使えばインテリアを損なわず、黒や白などのカラーを選べば生活感を隠しておしゃれに見せることも可能です。
実際に使った飼い主からは「取り付け後すぐに猫が興味を失った」という声も多く、コスパの高さが評価されています。
掃除機をかける際もホコリが溜まりにくく、日常のお手入れがラクになるのも嬉しいポイントです。
面ファスナー結束バンド
セリアの人気商品。繰り返し使えるので経済的。配線を壁際にまとめると、猫が手を出せなくなります。
さらに、自由にカットして長さを調整できるので、短いUSBケーブルから長い電源コードまで幅広く対応可能です。
結束力はしっかりしていながら、マジックテープ式なので着脱が簡単で、配線の変更や掃除の際にも便利。
布地タイプはコードを傷つけにくく、見た目にも柔らかい印象を与えてくれるため、リビングなど人目に触れる空間にもおすすめです。
複数本をまとめることで足元がすっきりし、つまずき防止にもつながります。実際に使用した飼い主からは「猫がコードに興味を示さなくなった」
「掃除がラクになった」といった声も多く、コスパの高さと実用性が評価されています。
コンセントガード
キャンドゥやダイソーで入手可能。感電リスクを下げる定番アイテムで、子どもや他のペットにも有効です。
さらに、シンプルなキャップ式からスライド式、差込口全体を覆うボックス型まで種類が豊富にあり、使う環境や目的に応じて選べます。
特にキャップ式は取り付けが簡単で、普段使わないコンセントをしっかりカバーできるのでおすすめです。
スライド式は必要なときにだけ差し込み口を開けられるため、日常的に家電を使う家庭に便利。ボックス型はコンセント周りのコードごと覆えるので、猫がじゃれて触ってしまう心配を大幅に減らせます。価格も手頃で、複数個入りの商品が多いのも魅力。実際に使った飼い主からは「猫がまったく近づかなくなった」
「掃除がしやすくなった」という声もあり、安全性と快適さを同時に手に入れられる頼れるアイテムです。
100均グッズと併用できる工夫

100均アイテムだけでも一定の効果はありますが、猫の行動を根本的に変えるには「心理的な工夫」も必要です。
かじる理由を取り除いたり、代わりに夢中になれるものを与えることで、より確実に安全を守ることができます。
例えば苦味スプレーは「かじると嫌な味がする」と学習させられますし、知育トイやおもちゃは遊びの欲求を満たしてくれます。
また、部屋のレイアウトを工夫してコードを視界に入れないようにするのも効果的。100均グッズとこれらの工夫を組み合わせることで、猫と暮らす環境がより安全で快適になります。
苦味スプレーやしつけグッズ
市販のスプレーをコードに吹きかけておくと、噛んだときに嫌な味がして自然と避けるようになります。
併用することで効果アップ。さらに、種類によってはハーブ系の香りや柑橘系の香りを利用したタイプもあり、猫が苦手とする匂いで近づかないようにする効果も期待できます。
使用方法は簡単で、布やペーパーにスプレーしてコードに塗り込むだけのタイプや、直接吹きかけるタイプがあります。
しつけグッズとしては、噛んだら音が鳴る玩具や、代わりにかじって良いガムタイプのおやつを与える方法も有効です。
スプレーだけに頼らず、プラスの習慣を組み合わせることで学習効果が高まり、長期的にコードかじりを減らすことにつながります。
遊び道具・知育トイで気を逸らす
コードより楽しいものがあれば、猫は自然とそちらに夢中になります。ボールやけりぐるみなどで遊びの欲求を満たしてあげましょう。
さらに、羽根付きのおもちゃや音の出るボールなど、猫の狩猟本能を刺激するタイプを取り入れると、より効果的に気を逸らせます。
知育トイは中におやつを仕込めるタイプもあり、遊びながら頭を使うことで満足感が高まります。キャットタワーや爪とぎグッズを設置するのも有効で、コードより魅力的な遊び場があれば自然とそちらに集中するようになります。
飼い主が一緒に遊ぶ時間を意識的に増やすことも大切で、コミュニケーションの充実がコードかじり防止につながります。
遊びと工夫を組み合わせることで、猫の行動を前向きに導いていけます。
配線整理・レイアウトの工夫
家具の裏にコードを通す、床に垂らさないようにするなど、環境を変える工夫も大切です。視界から隠すだけでも効果は大きいです。
さらに、コードを壁に沿わせてモールで固定する、ケーブルボックスを利用して余分な長さを収納するなどの工夫もおすすめです。
見た目がすっきりするだけでなく、掃除のしやすさも格段に上がります。家具の配置を工夫してコードを死角に隠すことで、猫の興味を引かない環境をつくれます。
また、高さのある棚やキャットタワーを設置することで、猫の遊び場をコードから遠ざけることも有効です。
こうしたレイアウトの改善は一度行えば長く効果を発揮し、飼い主にとっても快適な暮らしにつながります。
まとめ|猫の心理を理解して安全に暮らす

コードをかじる猫の行動は、好奇心やストレス、歯の生え変わりなどの自然な心理に基づいたものです。
しかし、そのまま放置すると感電やケガ、家電の故障といった大きなリスクにつながります。
特に感電は命に関わる危険があり、また誤飲すれば開腹手術が必要になるケースもあるため、決して軽視できません。だからこそ、予防の意識を持つことがとても大切です。
100均アイテムは気軽に取り入れられ、効果も高いため、飼い主にとって頼れる存在です。コードチューブやコンセントガードといった基本的なグッズに加え、結束バンドやケーブルクリップで配線整理をすれば、視覚的にも清潔感が出て生活の快適さも向上します。
さらにおもちゃやスプレー、レイアウトの工夫を組み合わせることで、猫が安心して暮らせる空間をつくることができます。
行動学的な視点から見ても「かじる対象を無くし、代わりに夢中になれるものを提供する」ことが最も効果的です。
大切なのは「猫を叱る」のではなく「猫の心理を理解して安全を守る」こと。叱っても根本的な解決にはならず、むしろ信頼関係に影響を与えてしまう可能性があります。
愛猫が安心できる環境をつくることは、飼い主自身にとっても穏やかな暮らしにつながります。身近な工夫を積み重ねることで、日々の小さなストレスを減らし、お互いに快適で幸せな時間を過ごせるようになります。
今日からできる対策を少しずつ取り入れ、愛猫との暮らしをより安全で心地よいものにしていきましょう。

